強制送還には気を付けよう!【在留資格取消】になる条件と関連するその他特別処置

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2020/07/24

強制送還には気を付けよう!【在留資格取消】になる条件と関連するその他特別処置

はなざわ (2)

ごきげんよう。花沢です。

折角苦労して取得した日本の在留資格をいきなり取り消され、母国へ強制送還・・・なんて事態になったら、外国人ご本人も、外国人の従業員を雇っている経営者の方も大変ですよね。

そうならないためにも、在留資格を安全に継続して保有するために、どのような内容がタブーになってしまうのか、把握しておくことは重要となっております。

【在留資格取消制度】とは?

在留資格の取消しとは,本邦に在留する外国人が,偽りその他不正の手段により上陸許可の証印等を受けた場合や,在留資格に基づく本来の活動を一定期間行わないで在留していた場合などに,当該外国人の在留資格を取り消す制度です。

つまり、在留資格取消制度とは、外国人が嘘をついて活動許可を得たり、違反行為をしたりした場合に、保有している在留資格を取り消す制度のことです。

平成28年の改正前までっは、在留資格に応じた活動を3か月以上行っていない場合のみ在留資格の取り消しが可能とされてましたが、入管法の改正により、3か月経たない場合においても「在留資格に応じた活動を行っておらず、且つ、他の活動を行い又は行おうとしている場合」に在留資格を取り消すことが可能となりました。

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在留資格が取り消される10の違反

在留資格取り消し制度で定められている内容はたった10個です。それでは解説していきます。

<1.上陸拒否に該当している事実を偽った場合>

偽りその他不正の手段により,上陸拒否事由該当性に関する入国審査官の判断を誤らせて上陸許可の証印等を受けた場合。

例えば、過去にオーバーステイなどの理由で国外退去の措置を受け、日本を出国した外国人が、上陸拒否期間中にも関わらず、この事実を隠した上で氏名を変更して上陸した場合は、在留資格が取り消されます。

<2.日本での活動内容を偽った場合>

1.のほか,偽りその他不正の手段により,本邦で行おうとする活動を偽り,上陸許可の証印等を受けた場合(例えば,本邦で単純労働を行おうとする者が「技術」の在留資格に該当する活動を行う旨申告した場合) 又は本邦で行おうとする活動以外の事実を偽り,上陸許可の証印等を受けた場合(例えば,申請人が自身の経歴を偽った場合)。

例えば、就労する目的で日本に来た外国人が、学校に通うと偽って「留学ビザ」を取得した場合は、在留資格が取り消されます。

上記の1.と2.は在留資格取り消し制度の中でも最も悪質とされるので、該当されると判断された場合は即時に退去強制命令が出されます。

不法滞在者として収容ののち、自国に送還されます。また、3年以下の懲役または禁錮、300万円以下の罰金のいづれかまたは両方が課せられる場合もあります。

<3.上記以外の内容を偽った場合>

1.又は2.に該当する以外の場合で,虚偽の書類を提出して上陸許可の証印等を受けた場合。本号においては,偽りその他不正の手段によることは要件となっておらず,申請人に故意があることは要しません。

例えば、外国人が、就労ビザの取得に必要な要件(学歴、資格など)を偽って、上陸許可などを受けた場合は、在留資格が取り消されます。

<4.その他の手段で在留特別許可を受けた場合>

偽りその他不正の手段により,在留特別許可を受けた場合。

<5.本来の活動を行わず、他の活動を行う場合>

入管法別表第1の上欄の在留資格(注)をもって在留する者が,当該在留資格に係る活動を行っておらず,かつ,他の活動を行い又は行おうとして在留している場合(ただし,正当な理由がある場合を除きます。)。

(注)「外交」,「公用」,「教授」,「芸術」,「宗教」,「報道」,「経営・管理」,「法律・会計業務」,「医療」,「研究」,「教育」,「技術・人文知識・国際業務」,「企業内転勤」,「興行」,「技能」,「技能実習」,「文化活動」,「短期滞在」,「留学」,「研修」,「家族滞在」,「特定活動」

<6.本来の活動を3か月以上行わない場合>

入管法別表第1の上欄の在留資格(注上記と同)をもって在留する者が,当該在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合(ただし,当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除きます。)。

<7.配偶者としての活動を継続して6か月以上行わない場合>

 「日本人の配偶者等」の在留資格をもって在留する者(日本人の子及び特別養子を除く。)又は「永住者の配偶者等」の在留資格をもって在留する者(永住者等の子を除く。)が,その配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合(ただし,当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除きます。)。

<8.法務大臣に住居地の届出をしない場合(1)>

 上陸の許可又は在留資格の変更許可等により,新たに中長期在留者となった者が,当該許可を受けてから90日以内に,法務大臣に住居地の届出をしない場合(ただし,届出をしないことにつき正当な理由ある場合を除きます。)。

<9.法務大臣に住居地の届出をしない場合(2)>

 中長期在留者が,法務大臣に届け出た住居地から退去した日から90日以内に,法務大臣に新しい住居地の届出をしない場合(ただし,届出をしないことにつき正当な理由がある場合を除きます。)。

<10.虚偽の住居地を届け出た場合>

 中長期在留者が,法務大臣に虚偽の住居地を届け出た場合。

外国人の不法就労活動

上記の5.と6.に結びつきますが、近年外国人が本来の活動内容に背いて就労活動をし、収入を得るという不法活動が増えています。

①出入国管理及び難民認定法 別表第1の在留資格(具体的には、外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、技能実習、文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在の在留資格)をもって在留する外国人が、資格外活動許可を受けずに、当該在留資格に対応する活動に属しない就労活動を行うこと(入管法19条1項)。

②不法入国者、不法上陸者、不法残留者(入管法70条第1項第1号、第2号、第3号から第3号の3まで、第5号、第7号から第7号の3まで若しくは第8号の2から第8号の4まで)が行う活動で報酬その他の収入を伴うもの。

上記に背いた場合、以下の内容の制裁が下されます。

  • 上記1.①について、入管法19条第1項違反の資格外活動を行った者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは200万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科することとして刑罰の適用を受けます(入管法第73条)。
  • これを専ら行っていると明らかに認められる場合には、3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科するとして、より重い刑罰の適用があります(入管法70条第1項第4号)。
  • 退去強制の対象になります(入管法第24条第4号イ)。
  • 上記1.②について、3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科するとして罰則があるとともに退去強制の対象になっています(入管法第70条、入管法第24条)。

 入管法で定められている共謀罪について

平成29年に改正された入管法では、テロ等準備罪・共謀罪についても重要視され、下記のように改正されました。

組織犯罪処罰法が規定するテロ等準備罪・共謀罪の対象となる入管法上の犯罪

  • 在留カード偽造等(入管法73条の3)
  • 偽造在留カード等所持(入管法73条の4)
  • 集団密航者を不法入国させる行為等(入管法74条)
  • 営利目的の集団密航者の輸送(入管法74条の2)
  • 集団密航者の収受等(入管法74条の4)
  • 営利目的の難民旅行証明書等の不正受交付等(入管法74条の6)
  • 営利目的の不法入国者等の蔵匿等(入管法74条の8第2項)

テロ等準備罪・共謀罪の要件

  1. 「組織的犯罪集団」が存在すること
    組織犯罪処罰法にいう「団体」とは、共同の目的を有する多数人の継続的な結合体であり、指揮系統の下で任務分担に従って一体として反復的に行動する集団をいいます。「組織的犯罪集団」は、「団体」のうち、その結合関係の基礎としての「共同の目的」が重大な犯罪等を実行することにあります。
  2. 対象犯罪を計画する行為があること
    この「計画行為」の要件が充足されるためには、組織としての犯罪的決意と計画が固まったことが合理的疑いを容れない程度の確実さをもって証拠により証明されなければなりません。
  3. その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われること

在留資格取り消しの流れ

①上記の取消事由に該当し、法務大臣が取消を行おうとする場合、入管が該当の外国人に「意見聴取通知書」を送付。

この意見聴取通知書に記載されている日付と場所で聴取が行われます。

※正当な理由なくこの聴取に応じない場合は、意見を聴取せずとも在留資格の取り消されます。

②本人または代理人は、意見聴取の場で、入国管理局の審査官に対し陳述・証拠提出を行う。

外国人の代わりに参加できる代理人には、未成年者の親権者、後見人等の法定代理人、在留資格の取消の対象者が代理人として委任した弁護士などです。利害関係人の人事担当者もこの際に外国人の代理として出席することが可能です。

③取消決定後、入管が該当の外国人に「在留資格取消通知書」を送付。

基本的には出国のための準備期間が30日を超えない範囲で付与されます。この際、住む場所や行動範囲の制限などの条件も合わせて付与されます。

この期間内に出国した場合には、待機強制処分を受けたことにはならず、在留期間内に出国する場合と同様に取り扱われます。

つまり強制退去処分よりは再入国がしやすいということです。

ただし例外として、「当該外国人が逃亡すると疑うに足りる相当の理由がある場合には、この限りではない。」とされています。

つまり、悪質性が高い場合(上陸拒否事由に該当していることを偽った場合や日本での活動内容を偽った場合)には直ちに退去強制となります。
※この期間内に日本語学校入学などで在留資格変更をすることはできません。もう一度日本に入国するためには、再度入国するための「在留資格認定証明書交付申請」が必要です。

【在留特別許可申請】

本来であれば日本から退去強制させなければならない人を、様々な事情を考慮して例外的に日本での在留を認められることもあります。その特別措置というのが、【在留特別許可申請】です。

在留特別許可を受けるには、退去強制手続きを受けなければなりませんので、結果として在留特別許可が認められなければ、当然に退去強制令書が発行され日本から出国しなければなりません。最終的にこの決定を行っているのは法務大臣で、入管法の第五十条には次のように記載されています。

第五十条 (法務大臣の裁決の特例)法務大臣は、前条第三項の裁決に当たって、異議の申出が理由がないと認める場合でも、当該容疑者が次の各号のいずれかに該当するときは、その者の在留を特別に許可することができる。

  1. 永住許可を受けているとき。
  2. かつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるとき。
  3. 人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するものであるとき。
  4. その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき。

二 前項の場合には、法務大臣は、法務省令で定めるところにより、在留期間その他必要と認める条件を附することができる。
三 第一項の許可は、前条第四項の適用については、異議の申出が理由がある旨の裁決とみなす。

ただし、在留特別許可は法務大臣の例外的な恩恵的な措置であるため自由裁量による問題とされており、法律上では在留特別許可を外国人本人が申請する権利は無いものとされています。

一般的に在留特別許可が許可されやすい内容としては、次のようなケースが考えられます。

①日本国籍を持つ人と結婚した外国人
②「永住者」、「定住者」の在留資格をもつ外国人と結婚した外国人
③日本人との間に生まれた日本国籍の子の親である外国人

当然、日本人と結婚していていも不許可となり退去強制になるケースもありますし、逆に結婚などしていなくても不法滞在をして日本に10年以上在留していた家族が許可された例もあるので、一概に上記のケースがすべてと言う事ではありません。あくまでも個別の状況に応じて判断されるものです。

在留特別許可までの流れ

必要書類(身分を証明するもの・婚姻を証明するもの)を収集作成します。

出入国在留管理局への出頭

入国警備官による違反調査(不法滞在となった経緯を中心に本人に関す るあらゆることや配偶者との経緯など、入国してからのことをこと細かに調べます)

仮放免手続きと行動範囲拡大願い(必要書類をそろえ、指定された日に 出頭、仮放免の許可をもらいます。場合によっては仮放免保証金が 必要となることもあります)通勤や通院、通学などの理由がある場合 、行動範囲拡大願を出します。

入国審査官の違反調査仮放免許可後、数週間から数ヶ月して、その後の事情の変化等について聞かれます。 そして、不法残留者であり、退去強制事由に該当するとの認定通知書が渡されます。その時に口頭審理の請求をします)

特別審理官の口頭審理(数週間から数ヶ月して、口頭審理への出頭の連絡があります。これで退去強制事由にあたるとの違反判定が出されることになります。そこですぐにその場で「異議申出書」を提出して法務大臣の裁決を求めるようにします)

法務大臣の裁決(結婚生活の安定性があり善良な市民として今後の日本在留が期待できるかということと、生活状況や素行、経歴や家族状況などを総合的に判断されます。)

在留資格取得法務大臣の名で許可が出ると、指定された日に入国管理局に出頭し、在留特別許可の証印、在留資格や在留期間の条件がパスポートに記載されます。これにより、外国人配偶者は「日本人の配偶者」としての在留資格で日本に在留することができるようになります。

※出頭から相当長い時間を経て、最後の法務大臣の裁決で認められた場合に限り、取得することができるのです。入管に出頭してから取得まで早くて半年で場合によっては1年以上の年月を要することもあるようです
※法務大臣の裁決の結果、在留特別許可が認められないと、退去強制処分、国外へ送還されます。場合によっては収容されます。

 

【仮放免許可】とは

平成28から、不法滞在者への取締りが強化されたことに伴い、警察や入国管理局に配偶者や婚約者が不法滞在で収容されてしまうというケースが増加しています。

しかし、健康上の理由等から一時的に収容停止にして手続きを進めることが認められており、「仮放免許可申請」を行い、写真つきの「仮放免許書」をもらい、外国人の身柄を放免してもらうことが出来ます。刑事事件でいえば「釈放」の入管バージョンです。

仮放免許可の要件

仮放免の許可に際しては、以下の条件が付きます。

  • 収容されている者の情状及び仮放免の請求の理由となる証拠並びにその者の性格、資産等を考慮して、300万円を超えない範囲内で法務省令によって定める額の保証金を納付。
  • 住居及び行動範囲の制限
  • 呼出しに対する出頭の義務その他必要と認める条件

例として、「月に一度出頭するように」と条件が付いた場合、これに背いてしまうと、仮放免許可が取り消されてしまいます。収容令書又は退去強制令書により再び収容されてしまいます。また、仮放免許可の際に納付した保証金も没収されてしまいますので、仮放免の許可条件は必ず守るようにして下さい。

申請必要書類

仮放免申請ができるのは以下に該当する人物のみです。

  • 収容されている者
  • その者の代理人(行政書士を含む)
  • 保佐人
  • 配偶者
  • 直系の親族または兄弟姉妹

主に必要な書類

  • 仮放免許可申請書(Application for provisional release)
  • 申請理由書
  • 本人の誓約書
  • 仮放免後の住居地・電話番号を記載した書類
  •  委任状(代理人が申請する場合)

身元保証人の書類としての必要書類

  • 身元保証書
  • 誓約書
  • 住民票
  • 納税及び収入に関する証明書
  • 資産関係を証明する書類

【上陸特別許可申請】

上陸特別許可とは、通常オーバーステイなどで日本への上陸を拒否されている期間中、特別な事由により一時的に上陸を許可するという内容のものです。

どのような内容で日本を強制退去されたのかによって、上陸拒否期間は異なります。

各上陸拒否期間

オーバーステイにより退去強制
原則 5年 入管法5条1項9号ロ
出国命令で帰国 1年 入管法5条1項9号二
過去に退去強制歴有 10年 入管法5条1項9号ハ
裁判となり1年以上の懲役 永久 入管法5条1項4号
資格外活動により退去強制
5年 入管法5条1項9号ロ
麻薬等関係で退去強制
麻薬、大麻等により刑に処せられたこと有 永久 入管法5条1項5号
麻薬、大麻等を不法に所持 永久 入管法5条1項6号
麻薬、大麻等を不法に所持することを理由に上陸拒否有 1年 入管法5条1項9号イ
売春を理由に退去強制
永久 入管法5条1項7号

判断ポイント

上陸特別許可に明確な基準は定められておりませんが、様々な事例を元に以下のポイントが挙げられます。

  • 素行の善良性、真摯な反省
  • 夫婦関係の安定性・継続性
  • 日本での経済的生活基盤
  • 特別な事情の有無(子供の有無など)

しかし、当然ですが上陸禁止期間(過去の違反の内容)によって許可される時期は大きく異なり、特に、再犯の恐れの有無や他の外国人に悪影響を及ぼさないようにという点に考慮がされています。

また、子供がいる場合は、比較的有利になります。しかしながら、お子さんがいればすぐに許可されると考えるのは間違いです。

お子さんのいらっしゃるご夫婦であっても、退去させられた外国人の方が、刑法違反、薬物の使用、管理売春や集団密航に関与されていた経歴がある場合には、簡単には上陸を許可してもらえません。

また、単なる不法滞在者の場合であっても、自ら出頭して退去させられた場合と、摘発を受けて退去した場合では、全く審査の基準が異なります。

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

花沢

花沢花子、37歳独身です。海外で働くことに憧れてセブ移住を考えていましたが。。

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