【運送業】トラック業-一般貨物自動車運送事業の許可申請について

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2020/07/27

【運送業】トラック業-一般貨物自動車運送事業の許可申請について

運送業-一般貨物自動車運送事業の許可

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トラックの運送に代表される運送業ですが、その実、

一般貨物自動車運送事業
貨物軽自動車運送事業届出(軽トラック運送)
観光バス事業
レンタカー事業
介護タクシー事業
都市型ハイヤー事業

などひとくちに運送業といっても様々です。

こちらに書いたように、産廃の運搬も運送業に当たるわけです。

今回はその代表格である、トラック運送、
一般貨物自動車運送事業の許可申請についてご紹介します。

一般貨物自動車運送事業の許可とは

これも上記の産業廃棄物の運搬と同様、トラックで何かを輸送するのであれば
直ちに許可が必要になる、というわけではありません。

①依頼
②有償

この2つが要件になります。これ以外の場合は許可は不要なのです。
産廃の運搬などのも、自社運搬は許可不要ですが同じものと考えていいでしょう。

許可が不要の場合

まずイメージしやすいのは無償での運搬・輸送です。
依頼されたとしても、無償で請け負う場合には許可が不要になります。
依頼されて商品や宿泊客の送迎などを無料で行う場合などが該当します。

また、単純に自社製品などを自社の敷地間で輸送したりする場合も必要ありません。

許可の要件

許可が必要になる場合は「依頼」「有償」が要件でしたが
許可を受ける場合には大別して以下の4つの要件を満たさなければ許可が降りません。

  1. お金の要件
  2. 人の要件
  3. 場所の要件
  4. 車の要件

これら全ての条件のクリアと書類の準備、運輸支局への往復など、
かなり手間のかかるものになっています。

まずはそれぞれの要件を具体的に確認していきましょう。
東京運輸支局の資料を参考にご紹介します。

①お金の要件

(1) 資金調達について十分な裏付けがあること。
(2) 事業の開始に要する資金(以下、「所要資金」という。)の見積りが適切であり、かつ、資金計画が合理的かつ確実なものであること。なお、所要資金は次のア.~カ.の合計額とし、各費用ごとに以下に示すところにより計算されているものであること。
ア.車両費取得価格(分割の場合は頭金及び1ヵ年分の割賦金。ただし、一括払いの場合は取得価格。)又は、リースの場合は1ヵ年分の賃借料等
イ.建物費取得価格(分割の場合は頭金及び1ヵ年分の割賦金。ただし、一括払いの場合は取得価格。) 又は、1ヵ年分の賃借料、敷金等
ウ.土地費取得価格(分割の場合は頭金及び1ヵ年分の割賦金。ただし、一括払いの場合は取得価格。) 又は、1ヵ年分の賃借料、敷金等
エ.保険料
① 自動車損害賠償責任保険料又は自動車損害賠償責任共済掛金の1ヵ年分
② 賠償できる対人賠償自動車保険(任意保険)料の1ヵ年分又は交通共済の加入に係る掛金の1ヵ年分
③ 危険物を取扱う運送の場合は、当該危険物に対応する賠償責任保険料の1ヵ年分
オ.各種税租税公課の1ヵ年分
カ.運転資金人件費、燃料油脂費、修繕費等の6ヶ月分
(3) 所要資金の全額以上の自己資金が、申請日以降許可日までの間、常時確保されていること。

この資金というのは、具体的に供託金がいくら、というようなものではありません。
当然、小さな運送会社から大きな運送会社まで事業の規模は様々なので、それに合わせてというわけです。

いろいろ細かく書いてありますが、見てみると
1年分必要なものと、半年分必要なものにわけられていることがわかります。

それぞれ見てみます。

1年分必要なもの

・車両費
車両を購入する場合はその全額分、リースの場合は1年分の賃料です。

・建物と土地の費用
後述の場所の要件で必要になる営業所や車庫、休憩施設の取得費用です。
購入の場合はその全額分、賃貸の場合はその1年分の家賃や敷金など。

・保険料
車両保険です。
自賠責、対人賠償など1年分の費用です。

・各種税租税公課
車両に対する税金です。
自動車税、自動車重量税、自動車取得税の1年分です。

半年分必要なもの

・人件費
給与、手当、賞与、役員報酬、法定福利費など全て合計での半年分です。

・燃料油脂費
これはあくまで予測の費用になってしまいますが、計算する必要があります。
予測の走行距離に対しての燃料費*車両数分を半年分計算します。

・修繕費
外部で修理に出す場合の費用や、自社でパーツ交換などしたりする費用、タイヤ交換費などの全てを半年分計算します。

これだけでもかなりの運転資金が予定されることになるんだけど、その資金調達についてもしっかり裏付けがあった上で、申請日から許可されるまで自己資金として確保されていなければならない。
少なくとも1年は売上がなくても維持できる計算になるから、とんでもない額の要件だとわかるね。

②人の要件

(1) 事業計画を適切に遂行するため必要とする員数の貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条第2項に適合する事業用自動車の運転者を、常に確保できるものであること。
(2) 選任を義務づけられる員数の常勤の運行管理者を確保する管理計画があること。
(3) 勤務割及び乗務割が平成13年8月20日国土交通省告示第1365号に適合するものであること。
(4) 運行管理の担当役員等運行管理に関する指揮命令系統が明確であること。
(5) 車庫が営業所に併設できない場合には、車庫と営業所が常時密接な連絡をとれる体制を整備するとともに、点呼等が確実に実施される体制が確立していること。
(6) 事故防止ついての教育及び指導体制を整え、かつ、事故の処理及び自動車事故報告規則(昭和26年12月20日運輸省令第104号)に基づく報告の体制について整備されていること。
(7) 危険品の運送を行う者にあっては、消防法(昭和23年法律第186号)等関係法令に定める取扱い資格者が確保されるものであること。

資金について厳しければ、当然人についても厳しい要件が課されています。
しっかりと業務を行えるだけの人員確保が定められていますので、詳細を確認しましょう。

・ドライバー数の確保
車両の要件で後述しますが、最低車両数が5台という決まりがありますので、ドライバーは最低でも5名の確保が必要です。
また、日雇いや臨時のドライバーといった短期雇用のドライバーは認められず、長期雇用で確保しなければなりません。

・運行管理者の確保
ドライバーとは別に運行管理者が必要になります。
ですので、最低でも5名のドライバー+1名の運行管理者で、合計6名必要になります。
資金面では最低でも6名分の人件費等が1年分確保されていなければなりませんので、かなりの額になることがわかると思います。

またこの運行管理者ですが、バイトリーダーの用に誰でも良いようなものではありません。
運行管理者は国家資格になります。基本的にはこの国家試験に受からないといけません。

・整備管理者の確保
自動車整備士資格などを持ったものが1名必要になります。

・勤務割、乗務割の適合性
勤務時間や休憩時間、休日などが定めに適合している必要があります。

・指揮系統の確立
誰が指示を出すのか、自己対応などで誰が何をするかなど、事前に明確にする必要があります。

・点呼等
乗務前後の対面での点呼や、アルコールの呼気確認など実施体制を作ります。

・教育指導体制、重大事故発生時の報告
事故防止についての講習などを定期的に行ったり、重大事故発生時に運輸支局へ報告する体制づくりを行います。

・危険品の取り扱い資格
危険品の輸送には取り扱い資格者が従事する必要があります。

資金面でも大きな要求がありましたが、人員面でも人数に加え、有資格者の要求など厳しいものです。
また事故防止の観点から、乗務割や指揮系統、点呼など細かい部分も許可申請前に決定が必要です。

③場所の要件

こちらも細かい規制がありますので、営業所・車庫・休憩施設に分けて説明します。

1.営業所
(1) 使用権原を有することの裏付けがあること。
(2) 農地法(昭和27年法律第229号) 、都市計画法(昭和43年法律第100号)、建築基準法(昭和25年法律第201号)等関係法令に抵触しないものであること。
(3) 規模が適切であること。
(4) 必要な備品を備えているなど、事業遂行上適切なものであること。

①営業所について

・使用権原を有すること

営業所が必要で、その使用する権利を証明します。
賃貸物件でも自己所有物件でも構いませんが、自己所有の場合は登記の謄本や賃貸の場合は賃貸契約書の提出が必要になります。

・農地法、都市計画法、建築基準法に抵触しないこと

建物は好き勝手にどこでも建てられるわけではなく、都市計画法によって規制されています。
住宅地にいきなりどでかい牧場を作られたり、反対に農地にいきなりどでかい住宅地を作られたりしたら困りますよね?
土地を持っていれば何でもできるわけではありません。

営業所の設置はそれらに抵触しないようにする必要があります。
また、建築物も建築確認等を受けて、適法なものである必要があります。

・規模が適切+必要な備品を備えていること

「営業所」と書いて紙を貼っておけば電話ボックスや物置でも営業所になるかというと、もちろんそんな訳はありません。
面積の指定などはありませんが、一般的に机や椅子、電話やパソコン書類棚の設置など事務作業が実際に行える広さが求められます。

 

4.車庫
(1) 原則として営業所に併設するものであること。ただし、併設できない場合は平成3年6月25日運輸省告示第340号に適合するものであること。
(2) 車両と車庫の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ、計画する事業用自動車のすべてを収容できるものであること。
(3) 他の用途に使用される部分と明確に区画されていること。
(4) 使用権原を有することの裏付けがあること。
(5) 農地法(昭和27年法律第229号) 、都市計画法(昭和43年法律第100号)等関係法令に抵触しないものであること。
(6) 事業用自動車が車庫への出入りに支障のないものであり、前面道路との関係において車両制限令(昭和36年政令第265号)に抵触しないものであること。
なお、前面道路が私道の場合にあっては、当該私道の通行に係る使用権原を有する者の承認があり、かつ、事業用自動車が当該私道に接続する公道との関係において車両制限令に抵触しないものであること。

②車庫について

・営業所と車庫が併設していること

原則として併設している必要がありますが、都心部などではなかなかそのような広い敷地を確保することは困難です。
そのため、例外を設けており、直線距離で10~20km離れていても可能な場合があります。

・前面道路と車庫の出入り口幅の関係

前面道路によっては出入り口幅が変わります。また国道や私道などによって提出する書類も異なります。

その他は重複していたり読んでそのままなので割愛します。

 

5.休憩・睡眠施設
(1) 乗務員が有効に利用することができる適切な施設であること。
(2) 睡眠を与える必要がある乗務員1人当たり2.5平方メートル以上の広さを有すること。
(3) 原則として、営業所又は車庫に併設するものであること。ただし、営業所に併設されていない場合であって、車庫に休憩・睡眠施設を併設するときは、当該休憩・睡眠施設の所在地と休憩・睡眠施設を併設しない車庫の所在地との距離が10キロメートル(東京都特別区、神奈川県横浜市及び川崎市の地域に営業所を設置する場合にあっては、20キロメートル)を超えないものであること。
(4) 使用権原を有することの裏付けがあること。
(5) 農地法(昭和27年法律第229号) 、都市計画法(昭和43年法律第100号)、建築基準法(昭和25年法律第201号)等関係法令に抵触しないものであること。

③休憩・睡眠施設について

こちらもだいたいは読んでそのままか、重複するものばかりですね。
ドライバーは通常の仕事と違って時間拘束が長く、また自動車の運転は常に危険をはらむものですので
しっかりと休憩・睡眠時間を確保して重大事故を防ぐために休憩施設・睡眠施設の設置が義務付けられています。

 

④車の要件

2.車両数
(1) 営業所毎に配置する事業用自動車の数は種別(貨物自動車運送事業法施行規則(以下「施行規則」という。)第2条で定める種別)ごとに5両以上とすること。
(2) 計画する事業用自動車にけん引車、被けん引車を含む場合の最低車両台数の算定方法は、けん引車+被けん引車を1両と算定する。
(3) 霊きゅう運送、一般廃棄物運送、一般的に需要の少ないと認められる島しょ(他の地域と橋梁による連絡が不可能なもの。)の地域における事業については、(1)に拘束されないものであること。3.事業用自動車
(1) 事業用自動車の大きさ、構造等が輸送する貨物に適切なものであること。
(2) 使用権原を有することの裏付けがあること。

・台数について
車検において貨物の種別になっている車両を5台用意しなければなりません。

・台数制限の例外
トレーラーの場合は、トレーラーヘッドとトレーラーシャーシで1台という計算になります。
トレーラーは分離できるので、事業で使う形で1台という扱いです。

逆に霊柩車や一廃、島嶼地域などはこの5両制限から外れます。

・車両の大きさ、構造等の適切制
乗用車などではなく、車検において貨物の種別になる車両である必要があります。

 

まとめ

以上が基本となる4つの要件です。
許可申請の時点でこれらの用意が必要ですから、事前に時間と費用をかなり要することがおわかりいただけたと思います。

特に関係法令との兼ね合いなど、やり直しとなると時間が大幅にかかってしまうこともありますので
最初の段階から行政書士に依頼してスムーズに準備をすすめることをおすすめします。

この記事を書いた人

タラオ

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