【産業廃棄物】運搬と処理にかかる許可申請について

> > > 【産業廃棄物】運搬と処理にかかる許可申請について
2020/07/8

【産業廃棄物】運搬と処理にかかる許可申請について

title20200702a

皆さんどうもこんにちは。タラオです。

俺の行政書士試験ブログでは、今回が初の記事投稿となります。

マスオおじさまが、行政書士資格取得の為に猛勉強を頑張っていますね。だからその間に、行政書士のお仕事の一つとしても関係してくる【産業廃棄物運搬・処理の許可申請】における基礎知識や申請方法、注意点などの諸々の詳細をタラオから皆さんに紹介させて頂きます。

”産業廃棄物運搬・処理の許可申請”って言葉を聞いただけでは、「漢字多すぎ」って思うかもしれませんが、運搬・処理の専門業者以外にも建設業者などにも必要となってきます。
もしかしたらリサイクル業や販売業でも必要になるかもしれません。

実際に専門として運搬や処理を行っておらずとも
個人でも・法人でも、必須の許可となります。

これから産業廃棄物運搬・処理の許可申請しようと思っていた人はもちろん、全くわからない方でもわかるように説明していきますね。

Contents

事業に関わる廃棄物全てが産業廃棄物ではない

GOMIBUNBETSU20200706

あらゆる事業活動に伴うもの 特定の事業活動に伴うもの
燃え殻
汚泥
廃油
廃酸
廃アルカリ
廃プラスチック類
ゴムくず(
金属くず
ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
鉱さい
がれき類
ばいじん
パルプ、紙又は紙加工品の製造業・新聞業・出版業・印刷物加工業等から生ずる紙くず
建設業から生ずる紙くず
建設業から生ずる木くず
木材・木製品製造業等から生ずる木くず
繊維工業から生ずる繊維くず
建設業から生ずる繊維くず
食料品製造業・医薬品製造業・香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物
屠畜場において屠殺し、又は解体した獣畜及び食鳥処理場において処理した食鳥に係る固形状の不要物
畜産農業から生ずる動物のふん尿
畜産農業から生ずる動物の死体
以上の産業廃棄物を処理するために処分したもので、上記の産業廃棄物に該当しないもの

ざっと見れば、産業活動に伴って排出される、直接関わりのあるゴミで
家庭で出たとしてもそのまま捨てたらまずいよね?という感じがするものばかりなので、違和感は無いでしょう。

事業活動に伴う廃棄物であっても、これらの定義に該当しないものは産業廃棄物ではなく、一般廃棄物となります。
例えば「紙くず」と言っても製紙業で排出されるような紙ゴミと、オフィスのデスクワークで出る紙ゴミは全く異なります。

これらに該当するものでも自社運搬の場合は、産業廃棄物運搬の許可は必要ありません。
自身で出したゴミを処理場等に運ぶのはOK、ということになります。

ただし、自社運搬の場合でも飛散防止措置などの義務はありますので注意が必要です。
また、自社運搬だと思っていても、他社のゴミも一緒に運んでしまっている場合はアウトです。

その場合は下記の許可が必要となります。

建設現場に下請けで入る場合は注意が必要。廃棄物処理法では、ゴミの排出者は元請け業者と規定しているため、下請け業者が廃棄物を運搬する場合は常に許可証が必要となる。

 

 

どんな時に許可が必要となるのか?

家庭から出るような一般廃棄物、いわゆる一廃と違って、産業活動によって排出される廃棄物には厳しい規制が課されています。
そのため、処理をするだけでなく運搬をすることや、敷地内に一時保管したりする場合でも許可が必要になってきます。

市町村にもよりますが、運搬の場合には積み込みを行う県と荷降ろしを行う県の双方の許可証が必要となります。
(通過するだけの自治体の許可は必要ありません)

これは事業所の規模や運搬の量(軽トラック1台のみであろうと)、個人や法人に関わらず必須となります。
処理や運搬を専門に行なっている業者であれば当然ですが、それ以外の業種、特に建設業などでも必要になることが多いです。

①注意すべき業種:建設業

自社が請け負った工事現場の場合、自社が出した廃棄物を運搬するのは問題ありませんが、(自社運搬と言います)
下請けや複数の事業所で工事を行うような場合に、その廃棄物を運搬する場合は産業廃棄物の運搬にあたり許可が必要となります。
(元請けならOK、下請けならNGという考え方で基本的に大丈夫です。)

やっていることが同じでも、許可の要否がかわるなんて不思議に思うかもしれませんが、結構な罰則になっているので知らなかったでは済まされません。
5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金もしくは両方が、実際に運搬にした人に科されます。

また請け負ってしまった業者も3億円以下の罰金や
委託した業者も1,000万円以下の罰金が科されたりなど、いかに重罰規定になっているかがわかると思います。

②注意すべき業種:販売業・リサイクル業など

リサイクル業であれば通常、古物商の許可を得ていますので問題なさそうですが
実は産業廃棄物運搬に当たる場合があります。

古物商許可についての記事はこちらに詳しく書いています。

下取りの際に査定して買い取る場合には、古物商許可が必要となりますが、
もし、ゴミ処理・廃品処理などとして買い取る場合は廃棄物の収集・運搬の扱いとなってしまいます。

よくあるパターンが、エアコンや洗濯機などの家電の買い替えの際です。
すでに持っている古い家電を回収する際に、下取りとして回収するのか、ゴミ収集として廃品回収するかでは大きな違いです。

この場合は所有者が排出したゴミを他社が回収してしまうことになりますので、産業廃棄物運搬の許可が必要になります。
また、後述しますが、それを自社の敷地に保管したり、そこで分別等する場合は積替え保管にもあたります。

下取りか、廃品回収かでやっていることが同じでもこんなに違うなんて驚きだね…。回収された物品が、その後転売されるか・廃棄されるかが異なるので、回収の段階で規制しているんだね。

 

 

上記のような場合は一例ですが、無許可で行っている場合はすぐに中止し、速やかに許可証の申請を行いましょう。

この許可申請についても後述しますが、事前講習が必要であったり、
自社の経営面も審査されます。(賃借対照表や損益計算書などの提出)
有効期限も定められており、更新やその講習なども必要です。

人数の多い大きな事業所であればきちんと申請準備や管理することも可能かもしれませんが
個人や小さな事業所で、人員を割いてまで管理を行うことは効率的ではありません。

そういった業務は行政書士にアウトソージングしてしまうのが一番です。

 

産業廃棄物運搬の新規許可申請について

許可申請の流れは下記のとおりとなります。

  1. 講 習 会 の 受 講
  2. 申 請 書 の 作 成
  3. 申請日時の予 約
  4. 申 請
  5. 審 査
  6.  許 可 証 の 交 付
手続きには意外と時間がかかります。また複数の自治体の許可証が必要な場合が多いですから、余裕を持って進めておきましょう。

 

①講習会の受講について

講習会は首都圏に限らず、全国主要な都市で行われています。
ただし毎月実施されているわけではありませんので、希望地が満員だったり急いでいる場合は出張して遠方で受講することも必要でしょう。
どこで受講しても構いませんので、まずは受講地やスケジュールを確認しましょう。

詳細はこちらから確認ができます。
日本産業廃棄物処理振興センター(講習会開催日程・空き状況検索)

更新講習の場合は1日で終わりますが、有効期限は2年。
新規の場合は2~3日で有効期限は5年です。
2~4万円の費用がかかり、修了後に試験に合格すれば修了証がもらえます。講習をきちんと受けたかどうか確認するような試験ですので、真面目に受講すれば落ちるものではありません。

②申請書の作成

各自治体の指示する書類を用意します。
ここでは会社の経営面や、実際に運搬するにあたっての能力が確認されます。

経営面では賃借対照表や損益計算書、株主資本等変動計算書や納税証明書などを直近3年分提出します。
ここで廃棄物処理業者として問題がないか確認されます。

また、実際に運搬にあたって使用する車両や廃棄物を運搬する容器などの写真も撮影して提出する必要がありますので
これらのものも先に用意する必要があります。

③申請日時の予約

住民票を取るような気軽さで役所に行って申請できるものではありませんので、事前に日時の予約が必要になります。
場合によっては1~2ヶ月先になってしまう場合がありますので、早め早めに動く必要があります。

④申請

予約の日時に来庁し、書類の形式に問題がないか確認した後、申請手数料を納付します。
新規の場合は8万円かかります。

⑤審査

審査の標準処理期間(許可証交付までの期間)は申請書受理後 60 日(更新申請に併せて優良認定を申請する場合は 80 日)です。
ただし、次の期間は標準処理期間に含まれません。
・予約日から申請書を受理するまでの日数
→申請書を受け取ってから審査期間がスタートするよ
・申請書受理後、補正に必要な書類等の追加に要する日数
→書類等不備があれば、追加提出までその分遅れるよ
・土日祝日、年末年始(12/29~1/3)
→営業日計算だよ

実際のところ、審査にかかる日数は自治体によって異なり、だいたい2ヶ月くらいだと考えてください。
ただし、東京や大阪など事業者が多く、申請が集中するような自治体・時期は3~4ヶ月かかることもあります。

また「先行許可制度」というものもあり、すでに他の自治台で許可証を得ている場合は
その証明で期間が短縮できたり、提出書類が省略できるという制度もあります。

⑥許可証の交付

窓口もしくは郵送で受け取りができます。

許可証が交付されてから、やっと産業廃棄物の運搬が可能となります。

 

積替え保管について

tumikaehokan20200706

最初の講習を受けた後に相談されることが多いのがこの積替え保管です。
講習でその存在を知り、これは便利だからうちもお願いしたい、というパターンが多いのですが、

この積替え保管というものは、運搬の許可申請の際に「積替え保管も希望」みたいな欄にチェックを入れて取れるような簡単なものではありません。
それどころか自治体によっては非常に許可に対しての制限が強かったりもします。

許可申請にあわせて、積替え保管についても説明します。

積替え保管って何?

tumikaehokan320200706

通常、産業廃棄物を運搬する際は、その日のうちに処理場へ運搬する必要があります。
もちろん、途中で休憩を取るために停車したり、処理施設があくまでの時間を停車したりして待っている分には構いませんが、

収集した産業廃棄物を積んだまま、どこかに停車させて廃棄物を保管したり
処分場ではない場所で廃棄物をおろしたりするのは禁止です。
(休憩などとの違いは、あくまで処理場に運ぶまでの一連の流れにあるかどうかが問題となり、明らかに運搬ではなく保管を目的としての停車の場合は違反になります。)

原則として処理場に直行しなければならない、というものだと思ってください。

ただ、運搬業者としてはいちいち処理場に運ぶより、
・一定量たまってからまとめて処理場に運搬したほうがお得だったり
・廃棄物を分別して有価物(混合のゴミから金属を回収したりなど)を分別して売却したりした方が
お金になる場合もあります。

ここで必要になってくるのが積替え保管の許可になります。

これだけ聞くとやったほうが良い便利なものに思えますが、本来は処理場に直行すべき産業廃棄物を
敷地で堆積したりして保管することを意味しますので、当然むやみやたらに許可できるものではありません。

単純に運搬する場合と異なり、敷地・設備に対する要求(飛散防止措置や、野ざらしで保管させないために建物が必要であったり)
その他の法令(都市計画法や建築確認法・農地法)などの制限も受けますので、運搬の許可より厳しいです。

自社運搬同様、自社が排出したゴミの保管行為は積替え保管の許可なしに可能ですが、敷地面積によっては届け出が必要になります。

自治体によって制限も異なりますので、同じ条件でも場所によって許可が降りたり、降りなかったりすることもあります。

積替え保管の申請の流れ

積替え保管は運搬の許可証に付随しての申請が可能ですが、それはそれでまた全く別の審査になります。

  1. 申請者:自治体の担当者に事前に相談・候補地の調査
  2. 申請者:事前計画書を提出
  3. 自治体:事前計画書の審査
  4. 申請者:工事の着工・施設の完成
  5. 自治体:現地の調査
  6. 申請者:許可申請書または変更届を提出
⑥の部分がそれに当たります。すでに積替え保管なしで許可証を取っている場合は変更届を。まだ許可証がない場合はここで新規に申請になります。

①自治体の担当者に事前に相談・候補地の調査

自治体ごとに審査基準が異なりますので、まずは要件を確認したほうが良いでしょう。
また、予定地もその他の法令による制限によって、積替え保管の場所として使用可能なのかの確認が必要です。
(都市計画法や農地法など)

②事前計画書を提出

実際に積替え保管を行っていくに当たり、施設面や形式面などで問題ないかを確認するために必要な書類となります。
どの様に事業を行っていくかを提出し、形式的に問題があれば修正することで円滑に申請を進めます。

ただし、極めて多岐にわたる書類が要求されています。
東京都の申請を例にだして紹介します。

・事前計画書表紙
・保管場所一覧
・施設の案内図
・用途地域を示す図面
・施設の周辺図
・施設内配置図
・写真撮影場所を示す図面
・施設及び施設周辺の写真
・積替え保管を行う産業廃棄物の一覧表
・作業手順説明書
・保管場所の図面及び容量計算
・保管容器のカタログ
・施設清掃に関する説明
・生活環境の保全対策に関する説明
・生活環境の保全対策に関する設備の場所を示した図面
・生活環境の保全対策に関する写真及び図面
・使用権原を証明する書類
・重機一覧表・重機の写真
・関係法令に関する書類
・施設近隣住民等への説明内容に関する書類
・説明対象者を示す図面
・同意書・協定書・説明経過書

③事前計画書の審査

こちらも提出の際は日時が事前予約制になっています。
というのも書類が多岐に渡るため、その場で形式的なものなどを確認する必要があるからです。
1~2時間ほどはかかります。

④工事の着工・施設の完成

事前計画書申請時にすでに施設がある場合もあるかと思います。
新規申請の場合でまだであればこのタイミングまでに施設が完成している必要があります。

⑤現地調査

自治体の職員が、実際の施設に不備がないか、提出された書面通りになっているかなどを確認します。

⑥許可申請書または変更届を提出

その後、すでに積替え保管なしで産業廃棄物運搬の許可証がある場合は、積替え保管ありへの変更届を、
これから新規に運搬の許可を取る場合は、許可証の申請を行います。

難しいポイントは事前計画書の作成

⑤にあるように実際に自治体の職員が確認に来ますので、適当にでっち上げた書類では審査が通りません。
その場合は、補修や修正などで多大な時間がかかってしまします。

ですので書類作成の段階から行政書士に相談するなどして、しっかりと準備する必要があります。
以下に、事前計画書に提出するものを簡単に説明します。
(簡易的に東京都のものを参考に書き出していますので、詳細は各自治体に確認してください。)

見ていただけるとわかりますが、都市計画法の用途地域など、単純に書類を用意するだけでなく法的な知識も必要になります。

 

・事前計画書表紙

申請者の氏名・法人名・住所や電話番号などを記載したり、用途地域や保管施設の所在地、作業時間などを記載します。

・保管場所一覧

保管場所毎に番号を振って、保管する廃棄物の種類や保管方法、保管容量などを記載します。

・施設の案内図

施設周辺の道路や鉄道、目印などを示した地図を添付します。

・用途地域を示す図面

保管施設及び周辺の用途地域を示す地図の添付をします。
都市計画法なんてそっち(行政)の分野なんだからそっちで調べてやってくれよ、という感じですけどね…

・施設の周辺図

2つ前の案内図とは別なんですね。
住宅地図などを載せて、保管施設周辺の状況がわかるようにします。

・施設内配置図

建物及び敷地の寸法や床の材質、施設内のレイアウト(塀、門扉、掲示板、搬出口、保管場所、オイルトラップ、作業場所、選別場所、排水溝、排水の放流先など)を記載します。

・写真撮影場所を示す図面

前項と同じ図面を使用し、次項で添付した写真の撮影場所を図面に記載します。

・施設及び施設周辺の写真

施設周辺、施設外観、施設内設備(保管場所、保管容器、作業場所、排水溝、オイルトラップ等)、掲示板の写真を添付します。
新規でこれから建設する場合は、施設予定地の現況写真を添付します。

・積替え保管を行う産業廃棄物の一覧表

廃棄物の種類を記載します。
また搬入・搬出を誰が行うかについて記載し、どちらか一方は必ず自分・自社で行うようにしてください。

主な搬出先や排出先、品名、1日あたりの平均的な搬出入量を記載します。

・作業手順説明書

搬入から搬出までの具体的な作業内容を記載します。
手選別、手解体、有価物の抜き取りに該当するかも記載します。

・保管場所の図面及び容量計算

保管方法や保管場所の図面、容器の図面、産業廃棄物の容量及びその計算方法を記載します。

・保管容器のカタログ

保管容器及び防液堤のメーカーカタログ等を添付してください

・施設清掃に関する説明

施設清掃を行う対象毎に(保管場所、保管容器、排水溝等)清掃頻度と清掃方法を記載してください。

・生活環境の保全対策に関する説明

生活環境への影響ごとに発生が想定される場所と防止対策を記載します。

・生活環境の保全対策に関する設備の場所を示した図面

オイルトラップ、散水設備、脱臭設備等の設備がある場合は9と同じ図面を使用し、設備の場所を記載します。

・生活環境の保全対策に関する写真及び図面

上記の設備の写真及び、メーカーカタログ等の写しを記載します。

・使用権原を証明する書類

土地や建物の使用権原を証明する書類及び、公図の写し、所有者が積替え保管施設として使用することを認めていることを確認できる書類を添付します。

・重機一覧表・重機の写真

使用する重機の一覧表を作成し、重機の写真を添付します。
ナンバープレートがわかるように撮影し、重機の使用権原がわかる書類も添付します。

・関係法令に関する書類

条例やその他の法令による許認可・届け出が必要な場合があります。
建築基準法による建築確認についての書類や、消防法、火災消防条例等。

・施設近隣住民等への説明内容に関する書類

近隣住民・事業者に対し施設内容や環境対策などについて具体的に説明し、説明を行った内容について記載した書類を提出します。
・取り扱う産業廃棄物の具体的な内容
・具体的な作業内容
・生活環境への影響に対する防止対策や万一の際の対策方法
など

・説明対象者を示す図面

8と同じ図面を使用し、説明を行った住民等を図面上に記載します。
・同意書・協定書・説明経過書

施設近隣住民等から取得した同意書の写し、協定書の写し、説明系箇所を添付します。

内容的にかなりマッチョですし、作成などにも時間がかかることがわかると思います。住民への説明など、自社のみで進められない内容もありますので、簡単に積替え保管ありにできるものではないことがわかると思います。
そのため、まずは積替え保管なしで運搬許可を取ってから、運搬の業務を行いつつ、積替え保管ありへの変更を目指すのが通常です。

 

実際の不適切事例

tumikaehokan320200707

ここまで、産業廃棄物運搬の許可と積替え保管の許可について説明しましたが
実際に違反した場合の事例を紹介します。

無償での引き取り

運搬の許可でも言及した、不用品の回収についてです。
不要になった物を無償で業者が引き取った場合。

廃棄物処理法では、「廃棄物」とは「ごみ、粗大ごみ、燃えがら、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって固形状又は液状のものをいう」と定義されています。

ここで言う不要物は
「占有者が自ら利用し、又は他人に有償で売却することができないため不要になった物をいう。」と定義されています。
無償の場合は、廃棄物に該当します。

無償で引き取ってしまうと許可無しでの運搬はできなくなりますので注意しましょう。

形式的な有償での引き取り

業者に不要になったものを1円で買い取ってもらった場合です。

廃棄物であるかどうかの判断は総合的な判断をするため、
有償で売却できた場合は、売却料金と運送費を相殺した場合に排出事業者に収入があるかどうかが、判断するための大きな基準となります。

仮に不用品を持っていくのにガソリン代など100円がかかってしまった場合
売却価格(1円)-運送費(100円)=-99円となり損失となります。

となり排出事業者に収入がないため、廃棄物として処理するべきところを有価物と称して、不適正な処理をしたと見なされます。

お金を支払っての下取り

上記と似たケースではありますが、所有者がお金を支払って引き取ってもらう行為です。
家電などで多い商慣習ですが、新品購入時にすでに使用していた古いものを回収する行為です。
下取り時にはその分を買取として代金に充当したり、割引が得られたりします。

買取の場合は古物商の許可が、無償で回収する場合は許可が不要とされています。
ただし下取りという名目であっても、持ち主がお金を払って回収してもらうような場合は、廃品回収扱いとなり、産業廃棄物運搬の許可が必要になります。

無許可での積替え保管

事案:

A有限会社会社は、許可を有している産業廃棄物収集運搬業の範囲外となる産業廃棄物の積替え・保管を行ったため、法第14条の2第1項に違反した(無許可事業範囲変更)。
また、同社は、産業廃棄物処分業の許可を有していないにもかかわらず、産業廃棄物の処分を行ったため、法第14条第6項に違反した(無許可営業)。
さらに、同社は、排出事業者から交付を受けた産業廃棄物管理票(マニフェスト)に、運搬を終了していないにも関わらず、終了した等の虚偽の記載を行い、その写しを送付したため、法第12条の4第3項に違反した(虚偽管理票写し送付)。

これらの事実により、同社は法第14条の3の2第1項第5号(産業廃棄物収集運搬業の許可取消し)に該当した。

積替え保管や処分を行ってしまうと、運搬を完了しないままに廃棄物が消滅することになりますから
自然と管理票に虚偽の記載も必要になります。

まとめ

処分業などになってくると、産廃専門の業者になってくるので記載はしませんでしたが
以外にも産廃業者以外でも、運搬や積替え保管など、関わりが出てくることは伝わったかと思います。

廃棄物の扱いは生活環境や周辺環境に重大な影響を及ぼすことがありますので、現代では厳しく取り締まられています。
事業として行う以上は知らなかったでは済まされませんので、しっかりと手続きを行って許可証を得ましょう。

 

この記事を書いた人

タラオ

カテゴリ

最新記事

投稿者

週間人気記事ランキング

月間人気記事ランキング

総合人気記事ランキング