【帰化】と【永住権】の違いを分かりやすく徹底解説!~帰化のメリットとは?~

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2020/07/24

【帰化】と【永住権】の違いを分かりやすく徹底解説!~帰化のメリットとは?~

はなざわ (1)

ごきげんよう。花沢です。

前記事まで、外国人が日本に滞在するためのビザについて解説していましたが、本記事ではビザではなく、元々の国籍を放棄して、日本国民になるための【帰化申請】について解説していこうと思います。

“帰化する”とは?

日常生活の中で、「帰化する」というワードをあまり耳にする機会はないかと思います。

帰化とは

現在の国籍を放棄または離脱して、他国の国籍を取得することををいいます。 帰化を許可された場合、 その後の人生は、選挙権の付与など、その国の国民と同じ身分、地位などを得ることになりますが、 そうでない国や地域もあります。

また、帰化には以下の二種類あります。

・普通帰化 ・・・就労の資格やその家族など、婚姻による日本人とのつながりがない外国人による帰化。

・特別帰化 ・・・婚姻等により一定の要件(日本人とのつながり)を満たす外国人による帰化。

「日本に帰化する」とは、日本で暮らす在日の外国人の方や無国籍の方が、その方の住所地を管轄する法務局に申請し、法務大臣の許可を得て日本国籍を取得することです。帰化すると、選挙、日本のパスポートの取得、戸籍の作成など、日本人と同じ権利を行使できるようになります。

その分、審査時間は長くなり(通常約1年)、多くの必要書類が必要となります。

永住権との違いは?

帰化も永住も、期間の定め無く日本に住み続けることができる、という点では同じですが、もちろん両者の法的性質は全く異なります。
帰化という手続きは、根拠法を国籍法に。在留資格である「永住者」が許可される根拠法は出入国管理及び難民認定法に。それぞれ求められています。

帰化と永住の違い 帰化 永住
根拠法  国籍法  出入国管理及び難民認定法
申請先  法務局  出入国在留管理局
審査期間(申請〜許可)  (平均)8ヶ月〜2年  2ヶ月〜8ヶ月
申請要件「最長の在留期間をもって在留しているもの」  ✖なし  3年 入管法(施行規則別表第2)
居住要件(原則)  継続して5年居住が必要
(その中で、就労が3年)
 継続して10年居住が必要
(その中で、就労が5年)
能力要件  20歳以上で本国法で行為能力を有すること
※但し、緩和規定あり
 ✖なし
素行要件  〇善良であること
・年金の支払い
・交通違反
・納税義務
 〇善良であること(こちらの方が帰化よりも厳しく審査される)
・年金の支払い
・交通違反
・納税義務
生計要件  〇独立して生計を営むことができること  〇独立して生計を営むことができること
思想要件  〇あり
・テロなどの破壊活動など危険思想を持っていないか
 ✖なし
国益適合要件として
審査される可能性あり
日本語能力要件  〇あり  ✖なし
国籍  日本国籍となり、母国の国籍を喪失する  本国の国籍のまま
日本国パスポート  〇あり  ✖なし
戸籍  〇届出により取得する  ✖なし
氏名変更  1)日本の氏名に変更
2)従前本国の氏名継続可能
※但し、一部制約あり
  本国氏名のまま
選挙権・被選挙権   〇あり ✖なし
在留期限  ✖なし  ✖なし
在留更新  ✖なし  〇あり(7年ごと)
外国人登録  ✖なし  〇あり
再入国手続き  ✖なし  〇あり
強制退去処分  ✖なし  〇あり
職業の制限   ✖なし   ✖なし
年金加入義務  〇あり  〇あり
銀行の取引(ローンなど)  〇受けやすい  〇受けやすい

帰化のメリット

日本人の名前が持てる
今までの名前から日本人の名前に変えることができます。名前が漢字ではなく、カタカナ表記の場合には、それが顕著になる為、それを「日本人の名前」に変更できることはメリットの一つです。帰化し、日本人らしい名前になることで、日本で生活しやすくなるでしょう。
日本の戸籍を持てる
日本人になる為、自分の「戸籍」を持つことができます。「戸籍」制度は、日本特有のものであり、「人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するものであり、日本国民について編製」(法務省「戸籍」)されるものです。
在留資格の手続きが無くなる
帰化した場合には、外国人が日本に中長期滞在する際に必要な「在留資格」に関わる種々の手続き等から解放されるというメリットが存在します。
日本のパスポートを持てる
日本のパスポートを持つことができます。このパスポートが身分証明書となり、今までのように在留カードを所持しておく必要もなくなります。
日本の社会保障に入れる
日本人として住民登録される事で、日本の年金制度に加入することが可能となり、一定年齢になれば年金を受け取れます。また、国民健康保険にも加入できますから、医療費負担の軽減も期待できます。
参政権を得られる
18歳以上であれば、国政選挙はもちろん、地方自治体の選挙でも投票することができます。また、一定の年齢が来れば、国政選挙、地方自治体の選挙で立候補することができます。
ローン、融資を利用できる
帰化することで、銀行との取引を更にスムーズに進めることができます。特に、融資を受けたり、ローンを組んだりすることが以前よりも容易になります。

 

普通帰化する為の条件

就労の在留資格や、その家族などが対象です。

①住居条件

(国籍法第5条第1項第1号)
引き続き5年以上日本に住所を有すること。

国籍法第5条1項1号に規定された帰化申請の条件です。「日本に5年間引き続き住み続けている。」という事だけでなく、申請者は申請内容からして今後も生涯日本に住み続けていくであろうことを法務大臣が客観的に思料(いろいろ考えておもんばかること)できる内容でなくてはなりません。

【引き続きとは具体的になに?】

  • 日本を出国していた期間が、おおよそ連続90日以上ある場合、また年間でおおよそ合計150日以上日本を出国していた場合は、それまでの日本に在留した期間は引き続きと見なされずに通算されない可能性が高くなります。
  • 頻繁でない再入国許可を得て出国し、期間内に戻ってきた場合は、継続しているものとされます。
  • 留学生が就労資格に切り替えて継続して日本に在留する場合は、就労資格に切り替え後、3年間を経過することが方針です。

【5年以上の内容とは?】

  • 原則としては5年以上日本に居住し「留学資格」「就学資格」以外の在留資格で3年以上経過していること。
  • アルバイトなどで5年以上働いても、該当されませんが、例外として10年以上日本に住んでいれば上記の就労期間が1年以上であれば要件を満たすと判断されることがあります。

【日本と特別な関係を有する外国人】

主に在日韓国人、朝鮮人、台湾出身者(特別永住者)の方々や日本人と結婚している方など(日本で生まれた者、日本人の配偶者、日本人の子、かつて日本人であった者等で、一定の者)については、上記の帰化の条件を一部緩和しています(国籍法第6条から第8条まで)。

  • 日本人だった者の子(養子を除く)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有する。
  • 日本で生まれ引き続き三年以上日本に住所又は居所を有しているもの又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの。
  • 引き続き十年以上日本に居所を有するもの。(全ての在留期間が家族滞在などの場合は認められないケースがあります)
  • 日本人の配偶者で引き続き三年以上日本にいて、現在も日本に住んでいるもの。(過去にオーバーステイで在留特別許可を取ったことがある人が、日本人と結婚した場合は、在留特別許可を取った日から10年以上経過している必要があります)
  • 日本人の配偶者で婚姻の日から三年経過し引き続き一年以上日本に住んでいるもの。
  • 日本人の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの。
  • 日本人の養子になり引続き一年以上日本にいて、養子縁組の時、本国法により未成年であったもの日本の国籍を失ったもの(日本に帰化した、後日本の国籍を失ったものを除く。)で日本に住所を有するもの。
  • 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの

②能力条件

(国籍法第5条第1項第2号)
二十歳以上で本国法によって行為能力を有すること

  • 年齢が20歳以上であり、本国法によって行為能力を有している。※且つ帰化しようとしている本人の母国の法律で、成人年齢に達していることが必要です。
  • 未成年者は、両親と同時申請の場合に申請が可能です。

例えば、韓国19歳、中国18歳が、それぞれの本国法での成人年齢ですが、申請者がこれらの年齢の場合、本国法で成人年齢には、達していますが20歳以上である事が要件として求められますので、帰化の能力要件は満たしていません。但し、未成年の子が単独ではなく両親と一緒に帰化申請する場合は20歳になっていなくても帰化できます。

③素行条件

(国籍法第5条第1項第3号)
素行が善良であること

素行が善良であるかどうかをみるものです。犯罪歴や態様、納税状況や社会への迷惑度など総合的に考慮して、通常人を基準として、社会通念によって判断されることとなります。

【税金】

税金がきちんと払っているかどうかが重要です。

給与明細もしくはご自身で役所で住民税が払われている証明があれば問題ありません。

ただし、会社経営者や個人事業主の場合、社長個人の税金と会社の税金を完納していることが必要です。

☞扶養者の数

扶養に入れれば入れるほど自分の税金が安くなるため、アルバイトの収入が年間100万円いじょうでも扶養に入ったままの方もいますが、帰化申請を行う際に、修正して追加で税金を払えば問題ありません。

【犯罪】

前科及び犯罪履歴は厳しくチェックされます。犯罪の軽重によって経過年数も異なります。

一番多いケースが交通違反ですが、5年間で5回以内であれば問題ありません。また、喧嘩や万引きなどは裁判で刑が確定するなどでは前科になりませんのでご安心ください。

☞不法入国者・不法滞在者

  1. 偽造パスポート・在留カードによる不法入国
     この場合は重犯罪にあたるので、帰化申請自体が非常に難しいと思料されます。
  2. 正規パスポート・在留認定許可後(例:技術、人文知識、国際業務)、その就職先に就職しないで、その在留カードで日本に入国を繰り返していた場合
     この事案についても立派な入管法違反となりますので、犯罪の軽重により経過年数も異なります。
  3. 在留特別許可
     10年以上の経過が必要
  4. 3以外の軽微な場合
     状況により経過年数も異なります。

【年金の支払い】

厚生年金に加入して会社から天引きされている場合は問題ありませんが、国民年金の場合は直近1年分を支払う必要があります。

会社経営者の場合は、1人でも厚生年金に加入しなければいけないので、会社として厚生年金保険料を払っていることも必要です。

【家族の素行】

身近な親族に暴力団(反社会的勢力を含む)がいる場合には、例え住居が別で生計を分けていても状況によっては不許可になる場合がありますので注意が必要です。よって、暴力団の親族がいるのに許可申請するには、相当明白な(全く係りも、繋がりもない)証明が必要になります。
また、暴力団との係りについては素行要件だけでなく、思想要件(日本憲法遵守条件)の観点からも不許可判断をされますから、自分自身が仮に暴力団構成員であるかどうかだけでなく家族及び親族も調査対象になりますから注意が必要です。

④生計要件

(国籍法第5条第1項第4号)
自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること。

日本国内で、生計を営むことができるかどうか、というのも許可の要件となっています。
もちろん独力である必要はありません。(例えば配偶者の資力がある、親からの仕送りがある、多額の預貯金がある、など)
現在の資力、収入などを証明となる書類を提出する必要があります。

何を見ているのか

現在失業中の方は、安定的に収入を得ることが出来ない状態にありますので、仕事に就いて給料をもらえるようになってから申請を考えて下さい。
また給料の額ですが、目安として安定的に手取り18万円以上/月あれば、要件を満たしていると判断されます。

【破産者】

過去に自己破産したことのある人は、破産手続き開始決定日から7年以上経過していれば、問題ありませんが、それよりも短い期間しか経過していなければ生計要件上の不許可要件となります。

【借り入れ】

滞納があったり、返済が遅れたりしていなければ問題はありません。
但し、仕事による継続的、安定的な収入額と返済額とのバランスも重要になります。

【国民年金の免除申請・納付猶予申請】

国民年金保険料を納めることが、経済的に厳しいとき管轄の市区町村窓口で申請することで保険料免除や納付猶予してくれる制度があります。この申請には経済的に保険料支払いが難しいことを国に申請することになりますから、保険料の単なる未納状態と比べて、法律に則った対応として「遵法精神」の点に関しては問題がありません。しかしながら帰化申請の生計要件の根拠となる、国籍法第5条第1項4号『自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること』については基準を満たしていることにはなりません。従いまして、帰化申請受付時は、保険料免除や納付猶予の申請をしておらず、申請受付後に同申請を行った場合には不許可事由の一つになり得るため注意が必要です。

⑤喪失条件

(重国籍防止条件/国籍法第5条第1項5号)
国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと。

日本に帰化することで二重国籍となる場合には帰化することができません。国籍喪失要件、或いは国籍要件とされています。法律上、帰化によって日本国籍を取得した人は自動的に従前国の国籍を失うことになります。

前国の国籍を失うことができる人が、この要件を満たすことになります。さらに端的に言えば、従前国の国籍を捨てる意思を有するのか否か、それができなければ帰化によって「日本国籍を、取得することはできない。」ということです。

したがって、日本は重国籍を認めていません。日本と同様に重国籍を認めていない国は比較的多くあります。但し、中国籍の方の場合など国籍法上、二重国籍を認めていないにも関わらず帰化の際に国籍離脱の宣言をしたことの証明書を法務局が求める場合があります。

⑥思想要件

(国籍法第5条第1項第6号)
日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと

憲法遵守要件と例えられることもあります。日本の国権を尊重することは日本人として当然のことです。日本の国権を脅かすような団体に所属していると帰化申請自体ができません。

暴力団やテロリスト集団に所属している或いは、それらの活動を行っているような場合が該当します。

⑦日本語能力要件

日本語能力要件

必ずしも専門用語まで覚える必要はありませんが、普通の会話において不自由なく意思疎通ができ、一般的な日本語の文章の読み書きができるレベルが必要です。

もともと就学や留学の在留資格で来日し、その後技術・人文知識・国際業務などの就労資格に変更されている方などは、日本検定1級(N1)や2級(N2)を取得されている方も多数いらっしゃいますが、検定を取得していなくても十分要件を満たす方もいます。

申請方法

住所地を管轄する法務局・地方法務局又はその支局(国籍課・戸籍課)での相談

申請(必要書類)の収集

提出書類の作成・点検

法務局・地方法務局又はその支局に申請

書類の点検

諸官庁照会

※諸官庁(申請人の申請内容にかかる)
(1)法務省秘書課個人情報係
(2)税務署
(3)年金事務所
(4)市区町村役場
(5)警視庁(その他管轄都道府県警)
(6)公安調査庁
など

書類審査・調査開始

審査面接(インタビュー)・追加提出書類指示・補完

法務大臣(法務省民事局)へ進達

法務大臣決済

許可

官報告示
法務大臣(法務省)通達

法務局から申請人へ通達

帰化届の提出・在留カードの返納

新戸籍編製・住民票(職権記載)

必要書類

  • 帰化許可申請書(申請者の写真が必要となります。)
  • 親族の概要を記載した書類
  • 帰化の動機書
  • 履歴書
  • 生計の概要を記載した書類
  • 事業の概要を記載した書類
  • 住民票の写し
  • 国籍を証明する書類
  • 親族関係を証明する書類
  • 納税を証明する書類
  • 収入を証明する書類
  • 在留歴を証する書類

 

この記事を書いた人

花沢

花沢花子、37歳独身です。海外で働くことに憧れてセブ移住を考えていましたが。。

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