【在留資格解説】<永住者ビザ>と配偶者の永住権について徹底解説!~夢の在留資格~

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2020/07/17

【在留資格解説】<永住者ビザ>と配偶者の永住権について徹底解説!~夢の在留資格~

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ごきげんよう。花沢です。

長かった在留資格解説シリーズも、本記事で終了となります。記念すべきラストの記事(※外国人ビザに関しての記事は続きますよ)では、夢の【永住者ビザ】とその他【我が国で一定の身分または地位をもって在留できる在留資格(入管法別表第2)<就労に制限はない>】について解説していこうと思います。

【永住者ビザ】ってなに?

永住権とは

その名の通り、「無期限に、その国に滞在し続けることが出来る権利」を指します。

通常日本に滞在している外国人は日本での活動目的に応じた在留資格を持っており、原則としてその目的以外の活動を日本で行う事は許されません。

また、日本に滞在できる期限も決められています。しかし、永住権を取得することにより日本での活動や滞在期間の制限がなくなります。そのような特別な在留資格である「永住権」ですから、取得するのにも厳しい条件があります。永住権を取得するための条件について見ていきましょう。

取得の為の3つの要件

「出入国管理及び難民認定法」に定められた、永住許可に関する申請の要旨は「法務大臣が永住を認める者」とされていおり、法務大臣の裁量によって決定される為、後述の様々な要素が総合的に考慮され、在留を認めるかどうかが決定されますが、主に以下の3つの要件が大事になってきます。

要件①素行が善良であること

“法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。”

日本の法律を守り、社会的に非難されることのない生活を営んでいるかどうかが一つ目の要件です。ポイントは以下に該当しないことです。

・日本国の法令に違反して、懲役、禁錮又は罰金に処せられたことがある者
・少年法による保護処分が継続中の者
・日常生活又は社会生活において、違反行為又は風紀を乱す行為を繰り返し行う等、素行善良と認められない特段の事情がある者

特に交通違反がある場合は注意が必要です。スピード違反を繰り返す、飲酒運転をしている等の場合は不許可になる可能性が高くなります。

要件②独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

“日常生活において公共の負担にならず,その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。”

独立生計要件とは「お金」の要件です。ここで問われているのはある程度の収入があることです。お金持ちを優遇するための要件ではありません。

◆独立生計要件の概要◆
・日本人/永住者の配偶者や子・難民認定者は独立生計要件免除
・年収300万以上が目安
・被扶養者が増えれば必要年収もUP

「独立」とあるのは、自力で生活できているという意味で「公共の負担になっていない」ということです。そのため、生活保護者は対象外となります。

独立生計要件は「日本国から生活保護等を受けず、一定以上のお金がある/稼げている」ことを求めていますので、就労ビザであれば一定以上の年収が必要です。定住者ビザの場合はもう少し総合的に判断される余地がありますが、非課税世帯であれば永住許可の可能性は下がります。

また、年収について明文化されているわけではありませんが、独立生計要件を満たすためには約300万円以上の年収がないと審査が厳しくなります。ただし、あくまで被扶養者がいないという前提となります。被扶養者がいる場合はその扶養分の年収が必要となります。また、定住者ビザで被扶養者の方は世帯で計算することになります。

就労ビザ・家族滞在ビザ・定住者ビザの方は直近3年分(300万円を超えている)の収入状況を証明しなければなりません

被扶養者がたくさんいる場合は要注意です。被扶養者がいるということは、被扶養者の人数分の支出があるということですので、先ほど紹介した「約300万円」では足りなくなります。被扶養者が増えるほど必要年収は上がります。

被扶養者1人につき80万円前後で計算してみてください。(例:3人家族で被扶養者が2人の場合だと460万円)

特に海外にいる親族を扶養に入れられている方は要注意してください。必要な年収が増えるのはもちろんですが、「本当に被扶養者に該当する親族なのか」という不信感が審査側に芽生えますので、審査が不利に働く可能性が高くなります。

要件③その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

“ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。

イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。

ウ 現に有している在留資格について,出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。

エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。

※ ただし,日本人,永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には,(1)及び(2)に適合することを要しない。また,難民の認定を受けている者の場合には,(2)に適合することを要しない。”

この要件は、「国益要件」と呼ばれるもので、各以下のような注意点があります。

ア.の注意点

ただし,この期間のうち,就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していること。

※留学生のビザで4年間、その後「技・人・国」の在留資格で6年間日本に滞在している場合などです。留学生6年、「技・人・国」4年では不許可です。

イ.の注意点

公的義務(納税,公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。

税金の未納があってはいけません。年金や国民健康保険料の支払いについても審査される場合があります。

ウ.の注意点

当面は「3年」の在留期間を有していれば「最長の在留期間」とみなされます。

エ.の注意点

「公衆衛生上の観点」とは感染症や何等かの中毒性を持っていないか等もそうですが、現状生活している家がごみ屋敷になっていないか、等も考慮されます。

特例や優遇措置

特例や優遇措置として、上記の3つの要件が適用されない場合があります。

3つの要件が適用されない場合:

・日本人、永住者または特別永住者の配偶者、実子、養子又は特別養子に関しては、以下①、②の要件が適用されません。

・難民の認定を受けている場合には、②の条件に適合することを要しません。

①素行が善良であること

②独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

在留要件(10年以上)が適用されない場合:

  • 日本人、永住者または特別永住者の配偶者については、実体を伴った婚姻が3年以上継続し、かつ引き続き1年以上日本に在留していれば在留に関する要件を満たしていることになります。
  • 日本人、永住者または特別永住者の実子、特別養子については、引き続き1年以上日本に在留していれば、在留に関する要件を満たしていることになります。
  • 高度専門職のポイント計算にて70点以上を有しており、「高度人材外国人」として3年以上継続して日本に在留している場合には、在留要件を満たしていることになります。
  • 高度専門職のポイント計算にて80点以上を有しており、「高度人材外国人」として1年以上継続して日本に在留している場合には、在留要件を満たしていることになります。
  • 外交、社会、経済、文化分野における日本への貢献があると認められる者は、引き続き5年以上日本に在留していることで足りるとされています。

永住権が不許可になりやすい事例

1. 年金、社会保険料に未納・滞納がある。

2. 脱税のために日本に住んでいない家族を扶養家族として申請している。

3. 海外への出張や駐在期間が長い。

4. 過去に、短期滞在ビザへの変更などで、10年のカウントがリセットされている。

5. 世帯年収が低い。

6. 留学生時代に週28時間以上働いている。

7. 交通ルールの違反が多かった。

8. 日本語のライティングが苦手で、立証が不十分

必要書類

・申請書
・写真
・立証書類
・在留カードの提示
・資格外活動許可書(仮に受けている場合)
・旅券又は在留資格証明書(もし提示できない場合はその理由書)
・身分証明書(行政書士などの申請取次者が申請する場合)

【永住権】日本人の配偶者の場合

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日本人配偶者等の在留資格を持つ人の永住権の取得は、その要件が大きく緩和されています。これは、日本に生活基盤を有することが明らかな日本人の配偶者については、その要件を緩和して家族単位での在留の安定化を図ることが相当との考えによるものです。

取得の為の2つの要件

要件①その者の永住が日本の利益となること(国益適合条件)

(ア)引き続き1年以上(実態の伴う婚姻から3年以上経過)日本に在留

・日本人の配偶者の場合:

実態をともなった婚姻が3年以上継続し、かつ引き続き1年以上日本に在留している必要があります。

「実態をともなった婚姻」が求められていますので、婚姻していても別居している場合には、実態がないと判断される可能性があります。別居している場合は、子供の通学や通院の都合などで単身赴任をせざるを得ない等の合理的な説明が必要になります。

また、日本人との婚姻から3年が経過していれば、日本には1年以上の居住でよいため、例えば、海外駐在員が現地で結婚して2年間暮らした後、日本に戻ってきて1年以上経っている場合などが該当します。

そして、実体法上の身分関係として日本人の配偶者であればよく、「日本人の配偶者等」の在留資格であることまでは求められていません。例えば、技術・人文知識・国際業務ビザで滞在している人であっても、日本人と婚姻関係にあれば要件に当てはまります。

・日本人の子供の場合:実子・特別養子(普通養子を除く)の場合:

日本人の実子・特別養子の人は、引き続き1年の日本での居住で要件を満たすことができます。ただし、普通養子の人の場合は、この要件緩和の対象になっておらず、引き続き10年在留していることが必要になります。

 

(イ)納税義務等公的義務を守っていること

所得税・住民税・法人税などの税金や、厚生年金・国民年金などの年金が適正に支払われており未納でないことが必要です。さらに、これらは最終的に支払ったかどうかではなく、納期限を守って支払っているかまで問われます。税金や年金を支払っていない場合、または、支払っていても納付期限までに支払っていない場合には不許可になります。

したがって、給料天引きで税金や年金を納めている会社員の方であれば問題にはなりづらいですが、フリーランス社員や個人事業主・会社経営者などで個別に税金や年金を収めている方は要注意です。日本人の配偶者等の在留資格の人の場合、申請人本人だけでなく日本人である配偶者の状況も同様に確認されます。したがって、会社経営者や個人事業主の日本人配偶者を持つ人は注意が必要です。

適法に納税していることについては、

配偶者の場合:直近3年分

実子等の場合:直近1年分

の課税証明書および納税証明書の提出が求められて、納税状況等が審査されます。申請人本人が扶養されているなどで支払っていない場合は、扶養している配偶者や親の納付状況について審査されます。

適法に納税していることについては、

配偶者の場合:直近3年分

実子等の場合:直近1年分の課税証明書および納税証明書の提出

が求められて、納税状況等が審査されます。申請人本人が扶養されているなどで支払っていない場合は、扶養している配偶者や親の納付状況について審査されます。

また、公的年金については、

配偶者の場合:直近2年分

実子等の場合:直近1年分の公的年金及び公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料

を提出し、その納付状況が審査されます。こちらも、申請人本人が扶養されているなどで支払っていない場合は、扶養している配偶者や親の納付状況について審査されます。

※(納期限を守って支払いをしていない場合)※
もしも、納期限を守って支払っていない場合は、支払い完了後、永住権申請まで●年間以上の支払い実績を積み上げることが必要です。そのうえで、納付期限が守れなかった理由と反省、今後の再発防止をするための対策を入国管理局へ説明する必要があります。再発防止の対策としては、銀行口座引き落としやクレジットカードで納付する制度を使うなどが考えられます。そもそも、国民年金には加入していないという人は、国民年金に加入し、未納部分を支払った上で、向こう●年間以上の加入実績を残す必要があります。

税金の支払いについては、修正申告がある場合、各種加算税などが課された場合、などでは一定の期間(税目により異なる)の適性な納税状況が確認されることがありますので、企業経営者や個人事業主は特に注意すべきです。これは、日本人である配偶者(扶養者 and/or 身元保証人)の納税状況も併せて厳密に確認されます。

※(求められる収入)※

日本人の配偶者等の資格を有している場合には、先に述べたように、「独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること(独立生計要件)」は免除されていますが、永住審査の実務としては、概ね年間300万円(扶養する人1人につき60〜80万円)程度以上の収入が求められます。

扶養する家族がいない場合は、年間300万円の収入が目安になりますが、扶養する家族が一人増えるごとに大体年間70〜80万円をプラスして考える必要があります。例えば、男性で妻と子供の2人を扶養しているケースでは、300万円+70〜80万円×2人分で440〜460万円くらいが年収の目安になることになります。

※(主婦・主夫の場合)※

日本人の配偶者等の方が、主婦や主夫で働いていない場合や扶養の範囲内でのアルバイト・パートとして働いている場合には、税金や年金支払いなどの公的義務の履行や求められる収入の要件については、配偶者である「日本人」がその要件を満たしていなければなりません。

 

(ウ)現に有している在留資格について最長の在留期間をもって在留していること(実務上は3年以上の在留期間が必要)

現在持っている在留資格で「5年、3年、1年・・・」といった在留期間が定められていると思いますが、その中で最も長い在留期間で在留が許可されている状態を意味しています。ただし、このレポートの執筆時点(2019年9月)では、在留期間3年以上であれば、最長の在留期間として入国管理局で取り扱ってもらえます。

 

(エ)公衆衛生上の観点から有害となる恐れがないこと

麻薬や大麻、覚醒剤などの中毒者でないことや、エボラ出血熱、ペストなどの感染症に罹患していないことです。また、地域住民から役所へクレームがいくようなゴミ屋敷なども該当します。

 

(オ)著しく公益を害する行為をするおそれがないと認められること

日本人の配偶者等が免除されている素行要件のところでも審査される点ですが、国益適合要件においても審査されます。

①日本国の法令に違反して、懲役・禁錮・罰金に課されたことがないこと

日本の法令に違反して懲役・禁錮・罰金・拘留・科料に課されたことがないことが要件になります。ただし、懲役と禁錮の場合は、刑務所から出所後10年を経過(執行猶予がついている場合は猶予期間が満了してから5年が経過)、罰金・拘留・科料の場合は、罰金支払い等を終えてから5年経過していれば、日本国の法令に違反して処罰されたものとは扱わないことになります。また、少年法による保護処分が継続中でないことが必要です。

②日常生活・社会生活で違法行為や風紀を乱す行為を繰り返し行っていないこと

こちらは、懲役・禁錮・罰金・拘留・科料に該当しないような軽微な違反などを繰り返し行っていないことが要件となります。交通違反の反則金や街宣活動などで何度も指摘を受けているような場合が該当します。

③交通違反

交通違反の反則金は罰金ではありませんが、何度も繰り返すような場合には、違法行為や風紀を乱す行為を繰り返し行っていることに該当します。現時点の審査実務では交通違反の目安は、過去5年で5回以下、過去2年で4回以上は難しいようです。駐車禁止で反則切符を切られたことなどはあまり記憶に残っていないことも多いため、警察署で運転記録証明書を取得して確認することができます。

なお、無免許運転、飲酒運転やひき逃げなどの重い罪(懲役・禁錮・罰金・拘留・科料に該当)であると一度でも罰金の支払い等を終えてから5年または10年の経過が必要です。

要件②身元保証人がいること

永住申請をする場合は、必ず「身元保証人」を用意しなければなりません。永住申請において、身元保証人になれる人は日本人か、外国人の場合は「永住者」の人で、安定的な収入があり、納税義務を適法に果たしている人でなければなりません。日本人の配偶者等の場合は、配偶者や親である日本人になってもらいます。もしも、配偶者の日本人に身元保証人になってもらえない場合は、実体の伴った婚姻関係を疑われ不許可になる可能性があります。

身元保証人の責任

身元保証人の保障の内容は、滞在費・帰国費用・法令遵守の3つです。

入管法上の身元保証人は、道義的責任であり、法律的な責任は負いません。つまり、滞在費と帰国費用を支払う法律的な義務はありませんし、身元保証をした外国人の法律義務違反についても監督責任のような責任は負いません。

ただし、身元保証をした配偶者や子供が問題を起こし、その道義的責任を果たせなかった身元保証人は、それ以降別の外国人の永住申請のための身元保証人になることができなくなります。

【永住権】外国人(永住者)の配偶者の場合

「永住者の配偶者等」と「日本人の配偶者等」との違い

「永住者の配偶者等」と「日本人の配偶者等」の在留資格の一番の違いは、そこに日本人が関係しているか否かです。「永住者の配偶者等」のビザ(在留資格)申請では、「永住者」も「永住者の配偶者」も、どちらも外国人ということになります。この違いが、許可されるための審査に影響を及ぼすことにもなります。

「日本人の配偶者等」よりも審査が厳しいと思われるケース

「永住者」が、どういう経緯で「永住者」のビザ(在留資格)を取得したかが問題となる場合があります。

例としては、日本人と婚姻して「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)取得後、条件が整い次第すぐに「永住者」のビザ(在留資格)を取り、その後早々に日本人と離婚しているような場合です。このような事実があると、日本人との婚姻がそもそも偽装であったのではないかと疑われますので、審査は非常に厳しくなります。

更に二人の付き合いが前婚継続中だったりすると、素行不良の外国人という要素も絡まってきます。真実性の条件をクリアさせるために、相当な量の書類を用意しなければならないでしょうし、その努力が報われない結果となることもあります。

まとめ

本記事で全在留資格の記事は終了となりますが、次回の記事では本記事に書ききれなかった「難民認定制度」に関して解説していこうと思います。

この記事を書いた人

花沢

花沢花子、37歳独身です。海外で働くことに憧れてセブ移住を考えていましたが。。

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