【在留資格解説】経営・管理ビザとは?日本で会社を経営するには

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2020/06/30

【在留資格解説】経営・管理ビザとは?日本で会社を経営するには

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ごきげんよう。花沢です。

本日は、<上陸許可基準省令が適用され、就労が可能なビザ>のひとつ、【経営・管理ビザ】について解説していきます。

【経営・管理ビザ】ってなに?

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日本での活動内容

【経営・管理ビザ】とは

本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)。

該当例は、経営陣でいえば社長、取締役、監査役など、管理者でいえば部長、工場長、支店長などが該当されます。

どういう時に必要になる?

タイトルにも入れましたが、日本で事業を経営するにはこの経営・管理ビザが必須です。ただし、事業経営だけだと以下のビザもその活動が可能になります。

  • 「永住者」
  • 「日本人の配偶者等」
  • 「永住者の配偶者等」
  • 「定住者」
  • 「高度専門職の一部」

活動制限のない「永住者」「日本人の配偶者」「永住者の配偶者」「定住者」だと事業経営が可能となりますが、そもそもこのようなビザを取得するには日本人の結婚や、永住権取得のための厳しい審査を通らなければなりません。

「高度専門職」も学歴や職歴、収入が厳しい審査対象となるので、高確率で取得できるものでも決してありません。(詳しくは前記事

この中では比較的取得し易い事業経営の為のビザが、この【経営・管理ビザ】というわけです。

また、事業経営だけではなく、以下の場面でもこのビザが必要になります。

  1. 日本で自社を起業し、「経営」「管理」するとき
  2. すでにある日本の会社の「経営者」や経営幹部などの「管理職」の仕事をするとき
  3. M&Aなどで日本の会社の経営権を取得して、その会社を「経営」したり「管理」する場合

つまり、会社そのものの経営者や管理職に就いている外国人はこのビザを取得しなければならないということです。

経営・管理ビザの要件

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事業を経営できるビザの中では比較的簡単に取得できる、と上記で書きましたが、それでもたくさんの要件、カテゴリーに分かれています。そのすべてを満たすとなると、たくさんの時間とお金を費やすこととなります。

要件①事務所の要件

経営管理ビザを取得するためには「事務所の契約」が必須です。

Point 1.「法人名義で契約すること」と「使用目的を事業用」にすること

事務所を個人名で契約したり、使用目的が居宅用ですと経営管理ビザは取得できません。なぜなら、個人名で契約したり、使用目的が居宅用ですと事業用としてオフィスや店舗が確保されているとはいえないからです。

Point 2.自宅兼事務所も条件を満たしていれば可能

基本的に自宅と会社の住所が同じでは経営管理ビザを取得できませんが、以下の条件を立証できる場合に限り認められることもあります。

・住居目的以外での使用を貸主(不動産所有者)が認めている

・借主が法人に対し物件の一部を転貸借することについて貸主が同意している

・転貸借について借主が同意している

・事業目的占有の部屋を有している

・当該物件にかかる公共料金等の共用費用の支払いに関する取決めが明確である

・看板類似の社会的標識を掲げている

Point 3.レンタルオフィスでも可能

初期費用を抑えたければ事務所の契約はレンタルオフィスでも可能です。レンタルオフィスで経営管理ビザを取るための要件は、ちゃんと個室スペースが確保されていることです。個室になってさえいれば大丈夫です。しかし、壁やドアなどによる「明確な区切り」がないフリーデスクプランやバーチャルオフィスでは個室が確保されない為、認められません。

また、友人と事務所を共同で使用することや、間借りする場合でも同様、明確な区切りが必要になります。パーテーションで簡易的な仕切りを作っているだけでは、ビザの取得は不可能です。

Point 4.業態別の事務所契約・活動範囲

料理店を営む場合でも経営・管理ビザを取得することは可能ですが、それに見合った事務所契約は必ず店舗型でないといけません。マッサージ店なども同様です。

店舗物件を確保し、内装を整えた上で店舗内写真を撮り入国管理局に申請書と一緒に提出します。飲食店なら看板やテーブル・椅子などがきちんとセッティングされていること、マッサージ店ならベッドなどがきちんとセッティングされていることが必要です。

また、経営・管理ビザ保有者は現場に立つことを法律上想定されていませんので、それを専門にやるスタッフが確保されている必要があり、人員が確保されていることを事業計画書等などでしっかり証明していく必要があります。人員が確保されていないと入国管理局から追加で説明を求められることになる可能性が非常に高くなります。

要件②事業規模の要件

経営・管理ビザを取得するためには、事業規模を証明しなければならず、以下2点のどちらかが条件になります。

Point 1.日本に居住する2名以上の常勤従業員の雇用

日本に居住する2名以上の常勤従業員とは、「日本人、特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者」が該当します。常勤従業員とは、パートタイマー、派遣・請負社員、在籍出向者は該当しません。

Point  2.500万円以上の出資

出資については、法令上は申請人本人が一人で500万円以上を出資することを求めていませんが、経営をするにあたっての出資比率を重要視され、実務上は申請人本人の出資500万円以上が必要です。

しかし、単純に500万円を用意して、会社設立登記をすればよいというわけではなく、経営管理ビザを取りたい場合には資本金500万円はどうやって用意したのか?の証明が重要になります。

なぜ出所が重要かというと、会社設立後に申請する経営管理ビザでは入国管理局から500万円の出所を問われる確率が非常に高いからです。

また、自己資金だけでは500万円が用意できない場合に、親・親族からお金を借りる場合も多いと思います。親・親族からお金を借りる場合でも経営管理ビザは取得できますが、金銭消費貸借契約書・送金記録・親や親族との関係性を公的書類で証明するなどが入国管理局から求められることが多いです。

Point 3.2名以上の常勤職員または500万円の出資金に準ずる規模

2名以上の常勤職員が従事するビジネスに準ずる規模とは、例えば、常勤職員が1名であるが、資本金の額が250万円程度である場合が考えられます。

また、資本金500万円に準ずる規模のビジネスとは、例えば個人事業主である場合に、500万円以上を投資して営まれる場合が考えられます。

ただし、資本金の場合にはとりあえず銀行口座にその額を入金すれば良いのに対して、個人事業主の場合には実際にその額が投資されていることを個別に立証しなければならないので、会社設立の場合よりも立証の負担が大きくなります。

要件③事業の継続性・安定性の要件

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Point 1.資本金

日本の会社法では、株式会社設立時、またその後も資本金は1円以上あればいいとされています。また、経営管理ビザの規模要件との関係でも、常勤職員を2名以上雇用するのであれば資本金500万円を用意する必要もありません。

ただし、資本金とは当初の運転資金となる資金ですので、事業規模に応じた相応の資本金が観念されます。資本金が少なすぎると、会社法や規模要件の面では問題がなくても、事業継続性要件の観点から不適当(不許可相当)とされ、ビザの取得ができなくなる場合があります。

Point 2.事業企画書

事業の継続性は、既存の会社であれば過去の財務諸表や納税書類から判断されますが、新規会社の場合は、事業計画書の中身でもって継続性を証明します。

Point 3.更新時における財務諸表

直近期末において債務超過となっている場合には、今後1年の事業計画書と予想収益を示した資料の提出があれば、事業の継続性が認められる可能性が高いのに対し、2期連続して売上総利益がない場合には、事業の継続性が否定されます。

要件④実質的経営要件

Point 1.登録者本人の経歴

審査が厳しくなっている2019年は、法令には明記されていませんが、起業の合理的な理由や、事業計画を実現できるための本人の経歴(キャリア)が審査で重視されるようになりました。

新設会社の場合には、当該経営管理ビザの申請人が取得した株式の数や事業に投下している資金の出所等の事業の開始に至る経緯全般から、申請人が単に名ばかりの経営者ではなく、実際に経営を行うかどうかも審査されます。

また、既存の会社に経営管理者として招へいされる場合においても、他に役員がいる場合にあっては、申請人の投資の割合(株主総会における議決権比率)や、業務内容について他の役員と比較することが行われます。

Point 2.複数の経営者がいる場合

複数の経営者がいる場合には、経営管理ビザの申請人が事業経営者として必要とされるだけの事業規模、業務量、売上げ、従業員数等が会社になければなりません。売上げも従業員数も少なく業務量が絶対的に少ないのに、経営者ばかり大勢いるという場合には、申請の難度が増します。

必要書類

共通必要書類

  • 在留資格認定証明書交付申請書
    ※地方出入国在留管理官署において,用紙を用意しています。また,法務省のホームページから取得することもできます。
  • 写真(縦4cm×横3cm)
    ※申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。
  •  返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上,404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの)
  •  四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)

主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)であることを証明する文書(例えば,補助金交付決定通知書の写し)

  • 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人の場合

  • 申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料

(1)日本法人である会社の役員に就任する場合
役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録(報酬委員会が設置されている会社にあっては同委員会の議事録)の写し

(2)外国法人内の日本支店に転勤する場合及び会社以外の団体の役員に就任する場合
地位(担当業務),期間及び支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書(派遣状,異動通知書等)

(3)日本において管理者として雇用される場合
労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき,労働者に交付される労働条件を明示する文書(雇用契約書等)

  • 日本において管理者として雇用される場合,事業の経営又は管理について3年以上の経験(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を含む。)を有することを証する文書

(1)関連する職務に従事した機関並びに活動の内容及び期間を明示した履歴書

(2)関連する職務に従事した期間を証明する文書(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間の記載された当該学校からの証明書を含む。)

  • 事業内容を明らかにする次のいずれかの資料

(1)当該事業を法人において行う場合には,当該法人の登記事項証明書の写し(法人の登記が完了していないときは,定款その他法人において当該事業を開始しようとしていることを明らかにする書類の写し

※本邦において法人を設立する場合と,外国法人の支店を本邦に設置する場合との別を問わない。

(2)勤務先等の沿革,役員,組織,事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書

(3)その他の勤務先等の作成した上記(2)に準ずる文書

  • 事業規模を明らかにする次のいずれかの資料

(1)常勤の職員が二人以上であることを明らかにする当該職員に係る賃金支払に関する文書及び住民票その他の資料

(2) 登記事項証明書

審査期間・在留期間

審査期間は約3か月を要します。

在留期間は、「5年」、「3年」、「1年」、「4か月」、「3ヶ月」の5種類です。

まとめ

最近では、日本の生活水準が世界でも高い方ということから、日本で飲食店を営んだりシステム系の会社やベンチャー企業を起業 したりする方が増えていますね。

日本語の堪能な外国人が事業を起業する際に、こちらの記事が参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

花沢

花沢花子、37歳独身です。海外で働くことに憧れてセブ移住を考えていましたが。。

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